この浄土真宗における「西」、「東」、と云うのは、もちろんエリアの違いではありません。開祖は親鸞聖人であると、多くの日本人ならご存知でしょうが、実は同じ宗派でありながら、二つの異なる「流派」のが、存在しています。
一般的に浄土宗で「西」とされるのが、「本願寺派」であり、本山を本願寺としています。一方、「東」とされるのが、「大谷派」であり、本山は、真宗本廟です。この双方の本山の通称が、本願寺派は西本願寺であり、大谷派が東本願寺としていることから、この二つに分かれています。
葬儀に参列する側としては、考え方に微妙な違いがあるので、単に故人が信者であると知っているのみでは、思わぬ勘違いをしてしまうかもしれません。浄土真宗の信者はとても多いので、その違いを知っているといいでしょう。
では、どの様に違うのかですが、ここでは、大谷派の葬儀について、説明します。浄土真宗の教えは、本尊である阿弥陀如来の本願力である念仏を唱えれば「即身成仏」するとされています。この念仏は「南無阿弥陀仏」で、阿弥陀如来様のお力に頼る、即ち他力に頼る事から、「他力本願」と、云う言葉も生れました。
大谷派も本願寺派も、この教えは共有しているものの、大谷派の葬儀は第一と第二に、2段階に分かれているのが特徴です。まず第一では、棺前勤行を行い、次に葬場勤行で導師による読経、焼香が行われ遺族や参列者の焼香へと続きます。
参列するのは殆どの場合、第一でしょうが、お付き合いの度合いにより、第二の式への参列を乞われる事もあるかもしれません。